人格障害は、昔は人格異常と言われていました。人格障害とは、「Personality Disorder」(パーソナリティ・ディスオーダー)の日本語訳です。最近、人格障害と言わずに、訳さずに英語読みのパーソナリティ障害と言う場合もあります。偏見を避けるためのようです。
最近、人格障害が増大しているともいわれています。
よく話題に上る人格障害は、リストカットなどの自傷行為をを行う境界性人格障害、各種のハラスメントを行う自己愛性人格障害、また、犯罪を繰り返し行う反社会性人格障害などです。
人格ってな~に? 人格とは、簡単に言えば、性格のことです。この性格に障害がある(異常をきたす)とは、どう言うことなんでしょうか? 数多くある精神障害のひとつに人格障害も分類されます。その他の精神障害と比べて慢性的であり全体としての症状が長期に渡り変化しないことに特徴付けられます。
人格(性格)の障害だから、治療は、「本人が人格障害であるということを理解すること」、そして、「自分で治そうと思うこと」が大事なことが想像できます。ところが、一方、この人格障害は、他の精神障害とも非常に似通っています。「他の精神障害」は、薬物療法のみで完治すると思われている方に、このあたりのことを、ぜひ、理解して欲しいのです。
- 統合失調症と統合失調型人格障害
- 大うつ病と抑うつ性人格障害
- 強迫性障害と強迫性人格障害
それでは、下記の2種類の診断基準を中心に、人格障害について考えてみたいと思います。
- アメリカ精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-IV-TR)」
- 国際疾病分類の「精神および行動の障害(ICD-10)」