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反社会性人格障害(反社会性パーソナリティ障害)、非社会性人格障害(非社会性パーソナリティ障害)

 
【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】と【ICD-10:国際疾病分類】では、人格障害をあらわす言葉が異なります。

【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】反社会性人格障害は、英語の「antisocial personality disorder」の日本語訳です。antisocialを英和辞書で引くと、「反社会的な、社会に害のある」と記載されています。【ICD-10:国際疾病分類】非社会性人格障害は、英語の「dissocial personality disorder」の日本語訳です。dissocialを英和辞書で引くと、「利己的な 非社会的な」と記載されています。【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】と【ICD-10:国際疾病分類】の内容は同じです。

反社会性人格障害は、「感情の混乱が激しく演技的・情緒的で、ストレスに対して弱く、他人を巻き込む事が多い。」とされる「クラスターB」に分類されています【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】。

反社会性人格障害(パーソナリティ障害)・非社会性人格障害(パーソナリティ障害)の人は、他人の権利を無視し侵害する反社会的行動が持続的で、怒りやすく攻撃的で無責任です。

反社会性人格障害(パーソナリティ障害)・非社会性人格障害(パーソナリティ障害)は、犯罪心理学などの領域で、古くから多くの研究が積み重ねられてきました。犯罪を繰り返し起こす人の多くは、この人格障害です。子供の頃から既に問題行動が多発している場合と、子供の頃は問題がなかったのに青年期に入ってから犯罪に走り出す場合の2種類のパターンがあります。
 
 
反社会性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(301.7)【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】

  1. 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以来起こり、以下のうち3つ(またはそれ以上)によって示される。
    1. 法にかなう行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為をくり返し行なうことで示される。
    2. 人をだます傾向。これは自分の利益や快楽のために嘘をつくこと、偽名を使うこと、または人をだますことをくり返すことによって示される。
    3. 衝動性、または将来の計画をたてられないこと。
    4. 易怒性および攻撃性、これは身体的なけんかまたは暴行をくり返すことによって示される。
    5. 自分または他人の安全を考えない向こう見ず。
    6. 一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということをくり返すことによって示される。
    7. 良心の呵責の欠如。これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人の物を盗んだりしたことに無関心であったり、それを正当化したりすることによって示される。
  2. 患者は少なくとも18歳以上である。
  3. 15歳以前発症の行為障害の論拠がある。
  4. 反社会的な行為が起きるのは、精神分裂病や躁病エピソードの経過中のみではない。

【出典】「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版」(医学書院)
 
非社会性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(F60.2)【ICD-10:国際疾病分類】

通常、行動と一般的な社会的規範との間の不一致のために注意を引くパーソナリティ障害であり、以下によって特徴づけられる。
  1. 他人の感情への冷淡な無関心。
  2. 社会的規範、規則、責務への著しい持続的な無責任と無視の態度。
  3. 人間関係をきずくことに困難はないにもかかわらず、持続的な人間間係を維持できないこと。
  4. フラストレーションに対する耐性が非常に低いこと、および暴力を含む攻撃性の発散に対する闇値が低いこと。
  5. 罪悪感を感じることができないこと、あるいは経験、とくに刑罰から学ぶことができないこと。
  6. 他人を非難する傾向、あるいは社会と衝突を引き起こす行動をもっともらしく合理化したりする傾向が著しいこと。
持続的な易刺激性も随伴症状として存在することがある.小児期および思春期に行為障害が存在すれば、いつも存在するわけではないが、この診断をよりいっそう確実にする。

〈含〉
  • 非道徳的、反社会的、非社会的、精神病質、および社会病質パーソナリティ(障害)
〈除〉
  • 行為障害(F91.-)
  • 情緒不安定性パーソナリティ障害(F60.3)

【出典】「ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 新訂版」(医学書院)
 
その他の参考事項

  • うつ病(ICD-10:F32)やアルコール・薬物依存(ICD-10:F1x.2)の合併が多い。
  • 男性に多い。
  • 一般人口の0.6〜3.0%
  • 【全人格障害共通】人格障害(を含む精神障害)の疑いがあれば、精神科医に診断してもらうこと。
  • 【全人格障害共通】治療は、「本人が人格障害であるということを理解すること」、そして、「自分で治そうと思うこと」が、一番重要なことです(患者の努力なくしては治療はありえない)。そして、治療には長い年月がかかり、また、家族の関与が必要です。実際の治療には、さまざまな精神療法が組み合わされて行われます。
  • 【全人格障害共通】合併精神障害を伴っていることが多いので、そのための薬物療法が行われます。従来、薬物療法は合併精神障害にのみ有効とされてきましたが、この見方は変化しつつあり、人格障害そのものの治療に有効と言う説もあります。

 
 
人格障害の参考書籍

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