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境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)

 
【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】と【ICD-10:国際疾病分類】では、少し表現が違います。

【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】境界性人格障害は、英語の「borderline personality disorder(BPD)」の日本語訳です。borderlineを英和辞書で引くと、「国境(近く)の、境界線上の」と記載されています。

【ICD-10:国際疾病分類】では、情緒不安定性人格障害(F60.3)の境界型(F60.31)に該当します。情緒不安定性人格障害は、英語の「Emotionally unstable personality disorder」の日本語訳です。衝動型は「impulsive type」の日本語訳、境界型は「borderline type」の日本語訳です。

境界性人格障害は、「感情の混乱が激しく演技的・情緒的で、ストレスに対して弱く、他人を巻き込む事が多い。」とされる「クラスターB」に分類されています【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】。

境界性人格障害(パーソナリティ障害)の人は、対人関係・自己像・感情が不安定で著しく衝動的、自殺の行為または自傷行為をくり返し行います。

境界性人格障害(パーソナリティ障害)の人の多くは、幼児期に保護者による養育の放棄や虐待を経験しています。この経験から見捨てられ恐怖があり、愛情をかけてもらっていると感じるとその人を大好きになりますが、嫌われていると感じた途端に異常な激しさで怒りを表します。
 
 
境界性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(301.83)【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】

対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で成人期早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)で示される。
  1. 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気も狂わんばかりの努力。(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと )
  2. 理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式。
  3. 同一性障害:著名で持続的な不安定な自己像や自己観。
  4. 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの。 (例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)
  5. 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し。
  6. 顕著な気分反応性による感情不安定性。 (例:通常は2〜3時間持続し、2〜3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)。
  7. 慢性的な空虚感。
  8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難。 (例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)
  9. 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状がある。

【出典】「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版」(医学書院)
 
情緒不安定性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(F60.3)【ICD-10:国際疾病分類】

感情の不安定さを伴い、結果を考慮せず衝動に基づいて行動する傾向が著しいパーソナリティ障害。あらかじめ計画を立てる能力にきわめて乏しく、強い怒りが突発し、しばしば暴力あるいは「行動爆発」にいたることがある。これらは衝動行為が他人に非難されたり、じやまされたりすると容易に促進される。このパーソナリティ障害の2つの異なる型が特定されるが、両者ともこの衝動性と自己統制の欠如という一般的なテーマを共有している。

  • 衝動型(F60.30)
    支配的な特徴は情緒の不安定と衝動統制の欠如である。暴力あるいは脅し行為が、とくに他人に批判された場合、突発するのがふつうである。
    〈合〉爆発的および攻撃的パーソナリティ(障害)
    〈除〉非社会性パーソナリティ障害(F60.2)

  • 境界型(F60.31)
    情緒不安定ないくつかの特徴が存在し、それに加え、患者自身の自己像、目的、および内的な選択(性的なものも含む)がしばしば不明瞭であったり混乱したりしている。通常絶えず空虚感がある。激しく不安定な対人関係に入りこんでいく傾向のために、感情的な危機が繰り返され、見捨てられることを避けるための過度な努力と連続する自殺の脅しや自傷行為を伴うことがある(しかしこれらは明らかな促進因子なしでも起こりうる)。
    〈含〉境界型パーソナリティ(障害)


【出典】「ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 新訂版」(医学書院)
 
その他の参考事項

  • 女性に多い。
  • うつ病(ICD-10:F32)など多くの精神障害を併発する。
  • 一般人口の0.7〜2.0%
  • 【全人格障害共通】人格障害(を含む精神障害)の疑いがあれば、精神科医に診断してもらうこと。
  • 【全人格障害共通】治療は、「本人が人格障害であるということを理解すること」、そして、「自分で治そうと思うこと」が、一番重要なことです(患者の努力なくしては治療はありえない)。そして、治療には長い年月がかかり、また、家族の関与が必要です。実際の治療には、さまざまな精神療法が組み合わされて行われます。
  • 【全人格障害共通】合併精神障害を伴っていることが多いので、そのための薬物療法が行われます。従来、薬物療法は合併精神障害にのみ有効とされてきましたが、この見方は変化しつつあり、人格障害そのものの治療に有効と言う説もあります。

 
 
人格障害の参考書籍

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