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人格障害(パーソナリティ障害)とは

 
 
人格障害も精神障害のひとつ
人格障害は、昔は人格異常と言われていたものに該当します。人格障害とは、「Personality Disorder」(パーソナリティ・ディスオーダー)の日本語訳です。最近、人格障害と言わずに、パーソナリティ障害と言う場合も増えています。

その概念は「病的な個性」、あるいは、「自我の形成不全」 ともいえる状態を指します。数多くある精神障害のひとつに人格障害も分類されます。その他の精神障害と比べて慢性的であり全体としての症状が長期に渡り変化しないことに特徴付けられます。

人格障害は、「アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計の手引き(DSM-IV-TR)」と「国際疾病分類(ICD-10)の精神および行動の障害〜臨床記述と診断ガイドライン〜」の両方に診断基準が記載されています。
 
人格(性格)はどうやって決まるのか?

人格とは、簡単に言えば、性格のことです。性格で、自分の思考や行動が決まっています。

この性格は、どのように決まるのでしょうか? 一般的に、性格は、次の2つから決定されます。
  • 持って生まれたもの(気質、先天的要素、遺伝的要因)
  • 育ってきた環境から獲得されたもの(狭義の性格、後天的要素、環境的要因)
この2つのうち、育ってきた環境から獲得されたもの(狭義の性格、後天的要素、環境的要因)が性格の決定には支配的といわれています。

人格障害とは、この性格が病的と言うことになります。
 
他の精神障害を合併していることが多い

統合失調症、気分障害(うつ病等)、不安障害(パニック発作、社会恐怖、強迫性障害等)、依存症(薬物、アルコール等)、摂食障害等です。

ここで、興味深いのは、例えば次のようなものは、果たして明確に線引きできるのかと言うことです。
  • 統合失調症と統合失調型人格障害
  • 大うつ病と抑うつ性人格障害
  • 強迫性障害と強迫性人格障害
例えば、ここの一番上に上げた統合失調型人格障害は、【ICD-10:国際疾病分類】では、、「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害(F2x)」の「統合失調型障害(F21)」に分類が変わっています。

  • 人格障害と精神障害は共通の基盤(精神障害の軽症型、不全・亜型)
  • 人格障害が精神障害を発生させる基盤(精神障害の発病に先立って存在)
また、可能性としては精神障害の予後としての人格障害も考えられますが、この場合は人格障害とはせずに、精神障害が完治していないと診断されると思われます。
 
人格障害の受診と治療

人格障害の人は、自分の性格がおかしいとは思っていません。このため、人格障害のため自ら病院を受診することはありません。次のような場合に、病院で人格障害ではないかと判断されることが多いようです。
  • 行動がほかの人に迷惑をかけているなどの理由で、友人や家族、あるいは社会的機関によって医療機関に連れて来られる
  • 不安、抑うつなどのうつ病的な症状、薬物中毒などの依存症などで、本人自らが受診する。

上記のように、本人が人格障害で困って受診したわけではないので、人格障害としての治療は困難を伴います。治療を始めるには、、「本人が人格障害であるということを理解すること」、そして、「自分で治そうと思うこと」が、一番重要なことです(患者の努力なくしては治療はありえない)。そして、治療には長い年月がかかり、また、家族の関与が必要です。実際の治療には、さまざまな精神療法が組み合わされて行われます。

合併精神障害を伴っていることが多いので、そのための薬物療法が行われます。従来、薬物療法は合併精神障害にのみ有効とされてきましたが、この見方は変化しつつあり、人格障害そのものの治療に有効と言う説もあります。これは、「人格障害と精神障害は共通の基盤(精神障害の軽症型、不全・亜型)」と考えると薬物療法が有効と理解できます。
 
人格障害は精神障害を考えるうえで色々な示唆をしてくれる

うつ病とかの精神障害のみでは気がつかなかったことをいくつか示唆してくれます。
  • 精神障害になりやすい性格が存在するのではないか?
  • 「育ってきた環境から獲得されたもの(狭義の性格、後天的要素、環境的要因)」のマイナス要因は心の傷と言えますが、心の傷と精神障害は結びついているのではないか?
 
 
 
 
 
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