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妄想性人格障害(妄想性パーソナリティ障害)

 
診断基準は【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】、【ICD-10:国際疾病分類】に記載されています。

妄想性人格障害(パーソナリティ障害)は、英語の「Paranoid personality disorder」の日本語訳です。paranoidを英和辞書で引くと、「偏執症的な、被害妄想をもった、わけもなく恐れおびえた」と記載されています。

妄想性人格障害(パーソナリティ障害)は、「風変わりで自閉的で妄想を持ちやすく奇異で閉じこもりがちな性質を持つ。」とされる「クラスターA」に分類されています【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】。

妄想性人格障害(パーソナリティ障害)の人は、非常に疑い深く人を信じることができず、他人の行動は自分に対して悪意があると感じ、絶えず報復しようとし、そのため周囲とトラブルを引き起こします。診断基準の中には記載されていませんが、性格は冷淡で、人にはよそよそしい態度を示す人が多いようです。
 
 
妄想性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(301.0)【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】

  1. 他人の動機を悪意あるものと解釈すると言った、広範な不信と猜疑性が成人早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。
    1. 十分な根拠もないのに、他人が利用する、危害を加える、またはだますという疑いをもつ。
    2. 友人または仲間の誠実さや信頼に関する不当な疑いに心を奪われている。
    3. 情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために他人を信用したがらない。
    4. 悪意のないことばや出来事の中に、自分をけなす、または脅かす意味が隠されていると読む。
    5. 恨みを抱き続ける。つまり、侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない。
    6. 自分の性格または批評に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒ったり、または逆襲する。
    7. 配偶者や性的パートナーの貞節に対して、くり返し道理に合わない疑念をもつ。
  2. 精神分裂病、精神病性の特徴を伴う気分障害、または他の精神病性障害の経過中のみ起こるものではなく、一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものでもない。
(注)
  • 統合失調症の発症前に基準が満たされている場合には、“病前”と付け加える。例:“妄想性パーソナリティ障害(病前)”

【出典】「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版」(医学書院)
 
妄想性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(F60.0)【ICD-10:国際疾病分類】

以下によって特徴づけられるパーソナリティ障害:
  1. 退けられたり、拒まれたりすることに過度に敏感であること。
  2. ずっと恨みを抱き続ける傾向,たとえば侮られたり辱められたりあるいは軽蔑されたりしたことを忘れないこと。
  3. 疑い深いこと、および体験を歪曲する傾向がすべてにわたり,他人の中立的あるいは友好的な行動を敵意あるもの,あるいは馬鹿にしているものと誤解する。
  4. 現実の状況に適合せず、戦闘的にまた執拗に個人的権利を意識すること。
  5. 配偶者あるいは性的パートナーの性的貞節を、正当な理由なしに、繰り返し疑うこと。
  6. 常に自分を引き合いに出す態度に表れる、過度の自尊心を抱く傾向.
  7. 自分の周りや世間一般に起こる出来事について、「陰謀がある」という実証のない解釈に没頭すること。
〈含〉
  • 誇大妄想性、狂信的、好訴性および敏感妄想性パーソナリティ(障害)
〈除〉
  • 妄想性障害(F22.-)、統合失調症(F20.-)

【出典】「ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 新訂版」(医学書院)
 
その他の参考事項

  • 妄想性障害(F22.-)、妄想型統合失調症(F20.0)を発症しやすい。
  • 男性に多い。
  • 一般人口の0.7%〜2.4%
  • 【全人格障害共通】人格障害(を含む精神障害)の疑いがあれば、精神科医に診断してもらうこと。
  • 【全人格障害共通】治療は、「本人が人格障害であるということを理解すること」、そして、「自分で治そうと思うこと」が、一番重要なことです(患者の努力なくしては治療はありえない)。そして、治療には長い年月がかかり、また、家族の関与が必要です。実際の治療には、さまざまな精神療法が組み合わされて行われます。
  • 【全人格障害共通】合併精神障害を伴っていることが多いので、そのための薬物療法が行われます。従来、薬物療法は合併精神障害にのみ有効とされてきましたが、この見方は変化しつつあり、人格障害そのものの治療に有効と言う説もあります。

 
 
人格障害の参考書籍

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