http://watchan.net/pd/ 犬のワトソンの人格障害(パーソナリティ障害)講座
犬のワトソン > 人格障害講座 > 

統合失調型人格障害(統合失調型パーソナリティ障害)

 
【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】と【ICD-10:国際疾病分類】では、分類が異なります。

【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】には「schizotypal personality disorder(統合失調型人格障害)」として診断基準があります。 【ICD-10:国際疾病分類】では、「personality disorder(人格障害)」ではなく、「schizotypal disorder(統合失調型障害)」として診断基準があります。

統合失調型人格障害(パーソナリティ障害)は、英語の「schizotypal personality disorder」の日本語訳です。 schizotypalを英和辞書で引くと、「統合失調型の」と記載されています。「統合失調」の言葉の偏見を避けるために、失調型人格障害と言うこともあります。

統合失調型人格障害(パーソナリティ障害)は、「風変わりで自閉的で妄想を持ちやすく奇異で閉じこもりがちな性質を持つ。」とされる「クラスターA」に分類されいます【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】。

統合失調型人格障害(パーソナリティ障害)の人は、もののとらえ方・考え方・話し方が奇異で、親しい人がいません。統合失調症の診断基準を満足しないものの統合失調症に似通った症状を示します。一部の人は、統合失調症を発病します。但し、統合失調症の発病のピークは男性18歳、女性25歳ですから、この年齢を過ぎた場合は、過度の心配は不要です。

【ICD-10:国際疾病分類】では、人格障害ではなく、「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害(F2x)」の「統合失調型障害(F21)」に分類されます。これは、統合失調症の不全型の位置づけです。
 
 
統合失調型人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(301.22)【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】

  1. 親密な関係で急に気楽でなくなることと、そうした関係を形成する能力が足りないこと、および認知的または知覚的歪曲と行動の奇妙さの目立つ社会的および対人関係的な欠陥の広範な様式で、成人期早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)で示される。
    1. 関係念慮(関係妄想は含まない)。
    2. 行動に影響し、サブカルチャーの規範に合わない奇異な信念または魔術的思考(例:迷信深さ、千里眼、テレパシーまたは「第6感」を信じること、および小児と青年では、奇異な幻想または思い込み)。
    3. ふつううでない知覚的体験、身体的錯覚も含む。
    4. 奇異な考え方と話し方(例:曖昧、まわりくどい、抽象的細部にこだわりすぎ、紋切り型)。
    5. 疑い深さ、または妄想様観念。
    6. 不適切な、または限定された感情。
    7. 奇異な、奇妙な、または特異な行動あるいは外見。
    8. 一親等の親族以外には、親しい友人または信頼できる人がいない。
    9. 社会に対する過剰な不安があり、それは慣れによって軽減せずまた自己卑下的な判断よりも妄想的恐怖を伴う傾向がある。
  2. 統合失調症、「気分障害、精神病性の特徴を伴うもの」、他の精神病性障害、または広汎性発達障害の経過中にのみ起こるものではない。
(注)
  • 統合失調症の発症前に基準が満たされている場合には、“病前”と付け加える。例:“失調型パーソナリティ障害(病前)”

【出典】「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版」(医学書院)
 
統合失調型障害の診断基準(F21)【ICD-10:国際疾病分類】

これは統合失調症にみられるものに類似した奇異な行動と、思考、感情の異常を特徴とする障害であるが、いずれの段階においても明瞭で特有な統合失調症性の異常を認めないものである。とくに支配的な障害や典型的な障害はないが、場にそぐわない以下のいずれかが存在しうる。
  1. 不適切な、あるいはぎこちない感情(息者は冷たくよそよそしくみえる)。
  2. 果様な、奇異な、あるいは風変りな行動や容姿。
  3. 他者との疎通性の乏しさ、および引きこもって人付き合いしない傾向。
  4. 本人の所属する文化的規範にも矛盾し、行為に影響を与えるような奇妙な信念や神秘的考え。
  5. 猜疑的、妄想的観念。
  6. しばしば醜形恐怖的、性的、あるいは攻撃的内容を伴う、内的抵抗のない強迫的反復思考。
  7. 身体感覚的(身体的)錯覚などの諸錯覚、離人感あるいは現実感喪失を含む異常知覚体験。
  8. 奇妙な会話やその他の仕方で表現され、著しい減裂はないが、あいまいで回りくどく比喩的で凝りすぎた常同的な思考。
  9. 強度の錯覚、幻聴等の幻覚、および妄想様観念を伴う精神病様エピツードが時折、一過性に通常外的誘発なくして生じる。
この障害は重症度が動揺しながら慢性の経過をとる。時には明らかな統合失調症に発展することもある。発病時期ははっきりせず、進行と経過は通常パーソナリテイ障害のそれに類似する。これは統合失調症患者と遺伝的な関連をもつ者に多くみられるので、統合失調症の遺伝的「スペクトル」の一部を成すと考えられている。

診断ガイドライン
この診断は単純型統合失調症、統合失調質性あるいは妄想性のパーソナリティ障害から、明確には区別しがたいので、一般的な使用は勧められない。この用語を用いる場合には、上記の典型的な特徴の3、4項が少なくとも2 年間は持続的あるいはエピソード的に存在していなければならない。息者は統合失調症の診断基準を満たしてはならない。第一度親族に統合失調症の病歴があることは、この診断にとって補助的な重要性をもつが、必須条件ではない。

(含〉
  • 境界型統合失調症
  • 潜伏性統合失調症
  • 潜伏性統合失調症様反応
  • 前精神病期統合失調症
  • 前駆期統合失調症
  • 偽神経症性統合失調症
  • 偽精神病質性統合失調症
  • 統合失調症型パーソナリテイ障害
(除〉
  • アスペルガー症候群(F84.5)
  • 統合失調質パーソナリテイ障害(F60.1)

【出典】「ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 新訂版」(医学書院)
 
その他の参考事項

  • 統合失調症(F20.-)を発症しやすい。
  • 一般人口の0.1%〜5.6%
  • 【全人格障害共通】人格障害(を含む精神障害)の疑いがあれば、精神科医に診断してもらうこと。
  • 【全人格障害共通】治療は、「本人が人格障害であるということを理解すること」、そして、「自分で治そうと思うこと」が、一番重要なことです(患者の努力なくしては治療はありえない)。そして、治療には長い年月がかかり、また、家族の関与が必要です。実際の治療には、さまざまな精神療法が組み合わされて行われます。
  • 【全人格障害共通】合併精神障害を伴っていることが多いので、そのための薬物療法が行われます。従来、薬物療法は合併精神障害にのみ有効とされてきましたが、この見方は変化しつつあり、人格障害そのものの治療に有効と言う説もあります。

 
 
人格障害の参考書籍

人格障害ごとに書籍を検索できます。但し、「自己愛性人格障害」「境界性人格障害」「演技性人格障害」以外の書籍は、ほとんど出版されていません。「すべての人格障害」の中から、関連事項の書籍を選択してください。
「カテゴリーをブラウズする」の興味のあるカテゴリをクリックしてください。関連書籍が多数あるときは、下に「1 2 3 4 5 次 > >」が表示されますので、クリックしてください。検索するとそのカテゴリで絞り込むことができます。

 
 
 
 
 
統合失調質人格障害 犬のワトソン 人格障害(パーソナリティ障害)講座 自己愛性人格障害