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毎年5月が近づくと、冬が終わり、ぽかぽかと暖かくなり、気分爽快といいたいところではあるが、私ドクター・ワトソンは、気が滅入ってくる。オヤジが、私ドクター・ワトソンのトリミングをする季節になるからである。
我々ケアーン・テリアのトリミングは、少し、特殊である。他の犬種の場合は、トリミングをすると、非常に可愛く綺麗になる。我々ケアーン・テリアのトリミングの場合は、可愛くもならないし、綺麗にもならない。ともかく、毛の量が減るだけである。トリミングも、ケアーン・テリアの独特の風貌(簡単に言えば、ばっち〜い雰囲気)に合わせておこなうようである。
まず、ケアーン・テリアの場合、毛がどのように生えているかであるが、硬い毛のオーバーコート(人間が、冬に着るオーバーコートと同じ意味ね)と、やわらかいアンダーコート(アンダーだから下着ね)に分かれる。このうち、オーバーコートは、自然に抜けず、古くなった毛は死に毛として残っている。
このオーバーコートの死に毛を抜くのが、ケアーン・テリアのトリミングである。死に毛を抜かれるのは、まったく痛くない。ところが、オヤジは、死に毛と生きている毛の区別がつかない。
ここまで読まれた方は、なんとなく想像がついたと思う。オヤジは、すべてのオーバーコートの毛を引っ張るのである。そして、結果的に、すべてのオーバーコートの毛がなくなるのである。すなわち、私ワトソンは、痛くてたまらないのである。
当然、私ワトソンは反撃する。ともかく、オヤジの毛をつかんでいる手にかみつく。オヤジに、相当なダメージを与えることは可能である。敵のオヤジは考えた。オヤジに言わすと、「左手しっぽつかみトリミング」だそうだ。私ワトソンは、腹立たしく、あほけと思うのだが、オヤジの左手で、私ワトソンのしっぽをつかみ、後ろ足が地面につかないまで持ち上げるのである。私ワトソンは、可愛そうに、前足だけが着地している。この状態では、あたまが、後ろに回せないのである。すなわち、オヤジの毛をつかんでいる右手にかみつくことが、ほとんどできない。そして、さらにであるが、もっとかわいそうなことが起こる。オヤジは、この瞬間に、できるだけ多くの毛を抜こうと、多くの毛をつかみ、引き上げる。あ〜、前足までも、宙に浮くのよね。
1日では終わらず、次の休みに、続きがおこなわれる。と、その休みまでの間、どうなるか? ばっさり、抜かれたところと、そのままのところに分かれる。簡単に言うと、はげたところがあるなんとも、かっこ悪い姿になる。
なお、「左手しっぽつかみトリミング」でも、トリミングが終わると、オヤジの手はヨードチンキがくまなく塗られることになる。充分、反撃できているのが、せめてもの救いである。
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ワトソン!
死に毛だらけだから、ちょっと抜こうか?
「いいえ、結構です」
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まぁ〜、そう言わずにと
言いながら尻尾をつかまれ、
抜かれ始めるかわいそうな私ワトソン
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一房つかまれ、・・・
簡単に抜ける毛
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「痛てっ!」
お前大げさ と言うオヤジ
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数時間のち
疲れ果てているオヤジと私ドクター・ワトソン
お尻のあたりのオーバーコートがむしりとられている
かわいそうな私ドクター・ワトソン
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