http://watchan.net/sagae/ スクールカウンセラーによる「こころの取扱い説明書」 佐賀枝 夏文
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スクールカウンセラーとして担当した志賀中学校では、毎月「相談室だより」という表題で、生徒さんと家庭向けの通信を作成しました。そのコラム記事を編集したものです。
 
○良いこころと、悪いこころ
 
 良いこころと悪いこころが、対立してにらめっこしている友だちはいませんか。こころの中には2つのこころが同居していてはいけないと考えていませんか。これは「良い子」と「悪い子」が同居していることに似ています。

 「良い子」も「悪い子」もどちらも、あなたなのですから、無理に排除したりしない方が良いでしょう。排除したり、つくり換えるのは良い方法ではありません。サザエさんは、理想の自分とは、「良い子」と「悪い子」が同居しているけれど、折り合いがついていることだと考えています。理想を追い求めて、どちらかを排除してしまうと「つらい」です。
 
○「悪い子」時代
 
 「良い子」の自分と「悪い子」が自分のなかで、互いにぶつかりあうことがありませんか。「悪い子」の自分がこころを占領すると、親や先生と対立してイライラが増して、戦闘状態になることがあります。

 このようなとき、親は「悪い子」を責めるでしょう。責められると「悪い子」が負けまいと頑張りますから、「悪い子」が大きく肥大することになります。「悪い子」が表に出ると対立が起きますから、緊張もします。その結果として、表情も別人のように厳しくなります。こころのなかのイライラとモヤモヤの世界はこのようなときにできあがっていきます。

 あなたに伝えたいことがあります。このようなつらい体験は、あなただけが体験しているのではないのです。たくさんの友だちが、あなたと同じ悩みを持っているのですから落ち込んだり、投げやりにならないでください。もうすぐ「闇のトンネル」から抜け出せますから、少しつらいことに耐えてみてください。

 自己主張をしたり対決するのは、あなたの「こころの成長」のあかしです。
 
○サザエさんの欲しいもの
 
 みなさんは何が欲しいですか。たっぷりのお小遣いやプラモデルやアクセサリーなど、いろいろ思いつくことでしょう。サザエさんがひとつ選ぶとしたら、考え込んでしまいます。

 ひとつだとしたら、「認めてもらうこと」が欲しいです。生きていることを「認めてもらう」こと、わたしがわたしであることを「認めてもらう」ことが欲しいです。

 サザエさんは、この年齢まで「認めてもらう」ことが、少なかったさみしい少年でした。おとなになった現在でも、わたしでいいのですかと誰かに向かって尋ねているのです。
 
○つらい気持ちの実験
 
つらい気持ちになることがありませんか。サザエさんがつらい気持ちになるときは、友だちから認めてもらえなかったときや、ダメと叱られたときです。友だちに受け入れられないと、その場からすぅーとどこかへ行って消えたくなったりします。また、ときにはキレルこともあります。

 そんなつらい体験をしたとき実験をしてみました。それを紹介してみます。

実験1 つらい気持ちを耐えてみる。
 結果1 結果は耐えていると、だんだん怒りがこみ上げてイライラしてきます。
 結果2 時間が経つとだんだん怒りが消えるときもあります。

実験2 ものや友だちに当たる。
 結果1 たいがい後味がわるい。
 結果2 成功したことがない。

実験3 その場から逃げる
 結果1 その場に戻るのがかえって大変です。
 結果2 逃げても、逃げきることは不可能です。

実験4 つぶやく、そのままつらい気持ちを見つめてみる。
 結果  このなかでは、これが一番いいようです。

こころに負担がかかりすぎているときは「こころの休日」を取りましょう。
 
 
 
 
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