http://watchan.net/utubyou/ 職場とうつ病、仕事による過労死など
犬のワトソン > うつ病講座 > 会社側から見たうつ病
 
うつ病と会社活性化で説明しましたように、うつ病発生はチャンスなのです。この点を理解していただいたうえで、他のことも含め、会社側がとるべき、うつ病対応について記載します。

新入社員教育・管理者教育において
オヤジ自身がうつ病の知識を得たのは、オヤジの勤めている会社の管理者教育です。このときの人事担当部長が、管理者教育の最後の10分間に、「今から、非常に重要な話をします。本日の今までの講習内容は忘れていただいてもなんとでもなります。これから、お話しする話は、忘れるとたいへんなことになります。管理者は、自分の部下が、うつ病になり始めていないか、いつも注意してください。手遅れになると、自殺の可能性があります。うつ病とは・・・」と、このような話し方をされたために、強烈に印象に残ったそうです。このような印象に残る話し方をして、「みんなが知っておくべきうつ病の基礎知識」に記載した内容が良いでしょう。
なお、管理者教育では、「うつ病と会社活性化」に記載した事項を議論してみても良いでしょう。本質は、会社原因のうつ病が発生することのない活き活きとした会社にするのが基本です。
 
 
うつ病が発生したとき
「うつ病の周囲の対応方法」「うつ病の申告 診断書の提出」に記載していること参考にしてください。できるだけ、その日のうちに病院へ連れて行くのがポイントです。上司がメインに動くのか人事担当者がメインに動くのかも、即座に決めましょう。
休み始めたときに、必ず、本人が不安に思うことも、メモ書きを渡すなどしてあげましょう。
診断書に、「休養必要」と記載されていれば、なにがなんでもすぐ休ませましょう。引継ぎのため、1日程度は常識の範囲ですが、1週間も1ヶ月も休めないのは異常です。その間に自殺してしまったら、遺族は、民事裁判を起こしてきます。仮に勝てても、ニュースで報道され、会社イメージは最悪になるでしょう。電通事件のように、新たな判断が示され、あなたの会社の名前をつけた○○事件として、後世に語り継がれることも否定できません。
早く休めば、早く治ります。人の一生を左右する事項です。思いやりがあり、人を大事にする会社ならば、あってはいけないことです。なお、宿泊出張など、自殺される可能性のあることは、厳禁です。

休職中について
休職期間が長くなる場合もあります。このような場合、本人からの報告を待つだけでなく、会社側からも、接触したほうが良い場合もあります。但し、本人の負担になるような場合は厳禁です。状況に応じて、職場の上司、人事担当者、友人などが接触するのが良いでしょう。そして、このときのポイントは、本人が会社に対して抱いている不安をさりげなく聞き出すことです。特に、うつ病の原因となっていることが会社側にある場合です。例えば、現在の部署の仕事や上司に問題がある場合などは、会社側と調整した後、その不安が解消されるのならば、次回にその不安は無用と伝えてあげましょう。うまくいけば、急激に回復するでしょう。
 
 
出社開始について
主治医から、出社しても良い旨の診断があり、本人からの報告があった場合です。産業医がいる会社であれば、産業医が中立の立場で面接して、本人に最適な方法を会社側に伝えることになります。産業医が法律で不要な事業所や精神科の産業医でない場合、本人の許可をもらったうえで、主治医に本人同席のもとで注意点を聞くなどの配慮も必要な場合もあると思われます。
会社側は完全に治ってからと思われるでしょうが、うつ病の場合は休みが長期になるほど社会復帰のハードルが高くなります。この点からも、段階的出社で慣らしていくことになります。
段階出社ですが、1〜6か月かけて、数時間・半日から徐々に勤務時間を増やすリハビリ出勤が理想的です。この期間の給与は、労働基準法との関係もありますが、時間払いでもよいと思われます。極端な場合、無給でも良いのです。ともかく、慣らし運転が必要と言うことです。今まで、充分に働いてくれたので、会社に来てくれるだけで充分と言うぐらいの思いやりが会社にあれば、すべてが解決していくと思います。
事前、または出勤初日に、段階的出社の方法を、本人と打ち合わせしておきましょう。注意点は、うつ病になるタイプの性格を知ったうえで、本人が大丈夫と言っても、あせらずゆっくり段階出社と言うことを説明します。段階出社のペースは、休んでいた期間に密接に関係してきますので、その点を考慮して、大まかな復職プログラムを明示して、様子を見ながら、適宜状況に合わせて変更することになります。

出社後の対応
部署の上司だけに任さず、人事担当者や産業医が、様子を見ることになります。うつ病のタイプにもよりますが、出社初期は、人との接触が苦痛になる場合もあります。本人の希望を尊重したうえで、不安を解消してあげましょう(例えば、電話をとる必要がないようにしてあげるなど)。 休職中のところにも記載しましたが、うつ病の原因が会社にある場合です。うつ病発症前に、まったく休みなく出勤していたり、なんらかのトラブル解決の仕事を背負っていたりする場合です。このような場合でも、なれない新しい部署に異動するストレスのほうが大きい場合は、従来どおりの部署で、仕事の配分を工夫してあげるほうが良い結果になります。
とかく問題があると言う上司のもとで仕事をしていて、本人も明確に言わない場合、どのような対応をされますか? 「とかく問題があると言う上司」が、本当に問題がある場合、会社活性化という面から考えれば、どう対応すればよいかは明確に答えが出ると思われます。
とかく問題があると言う上司の場合は当然ですが、まったく休みなく出勤していたり、なんらかのトラブル解決の仕事を背負っていたりする場合も、上司(管理者)に管理責任の自覚を促す必要があります。このような管理者が、くさいものにふたをするために、うつ病を飛ばそうとするような場合、従業員のモチベーションはいちじるしくさがります。間違っても、うつ病を飛ばすことは避けるべきです。


再発予防
段階出社も完了し、通常の全日出勤状態に戻れても、残業や休日出勤などは注意が必要です。初期のうちは、本人も上司も配慮していることと思います。しか〜し、忘れた頃に、再発する場合があります。うつ病になるタイプは、うつ病になるか過労死するかのようなタイプの人、また、「ノー」と言えないタイプの人もいます。このようなタイプの場合、忘れた頃、かつ、仕事が忙しくなると、本人も猛烈に働きますし、上司も期待してしまいます。と言うことで、再発!
再発予防にむけて、産業医や人事担当者の定期的なチェックが必要でしょう。また、服薬を中止して出勤しているのか、服薬を長期に続けながら出勤しているかも、人事としては考慮すべき事項でしょう。現在の治療指針では、再発を経験すると一生抗うつ薬を飲むのも選択肢となってきます。このような場合、通院医療費補助の認定を受けていたりすると、認定が都道府県単位のため、転勤が非常に不利になってきます。転勤後に薬を飲み続けるとすれば金銭的な負担が増大しますし、金銭的負担のために薬を中断することになれば、再々発の可能性も出てきます。

その他
障害者雇用を積極的に行う会社、環境に配慮した会社、地域に貢献する会社・・・。これらを、あなたの会社は、本質的に理解していますか? これらのことと、うつ病を含む従業員に対する病気の取り組みも本質的には同じことなのです。共存繁栄なのです。営利目的だけの会社は、存在不可能なのです。
 
 
 
 
 
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