http://watchan.net/utubyou/ 職場とうつ病、仕事による過労死など
犬のワトソン > うつ病講座 > うつ病で休むとき 会社の制度・国の制度は?
 
休み始めた途端、気になることは、次のことと思われます。また、会社の上司も、これらのことについては、本人からの問い合わせがあったときに、回答できるようになっておく必要があります。
1)有給休暇は何日残っているのか?
2)有給休暇がなくなった後、給料はまったくでなくなるのか?
3)会社を辞めるとき?
4)復帰はできるのか?

それでは順を追って、解説します。なお、4)復帰はできるのか?は、次の「さぁ〜治った出勤」のページで扱います。



有給休暇について
有給休暇に無頓着で、見当のつかない方のために記載します。労働基準法(1999年4月1日改正)で定められた有給休暇は次のようになっています。付与された年度内に取得できなかった有給休暇は次年度にのみ繰り越すことができます。昨年度も使わず、今年度も使っていないと、40日になります。なお、この日数は、法律で定められた最低限の日数ですので、あなたの会社はこの日数より多い可能性があります。
継続勤務年数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日



有給休暇がなくなった後(なんらかの給料が出る場合)
有給な休暇がなくなったのですから、基本的には、無給です。しか〜し、会社によっては、有給休暇がなくなった後も給料が支払われる制度を設けている場合があります。この制度のない会社の人には、有給な休暇がなくなったのに有給とは不思議に思われるでしょう。このような会社の場合、有給休暇との違いは、例えば、有給休暇は権利であって成績には影響しませんが、有給休暇がなくなった後の休暇は成績に影響する扱いになっています。
 
 
有給休暇がなくなった後(給料がでない場合)
上記の制度のある会社でも、一定期間過ぎれば、給料が出なくなります。会社から出なくなった給料を補填する国の制度があります。会社責任と認定されれば労災保険からの支給、認定されなければ健康保険から傷病手当金が支給されます。


<国の制度>労災保険(労働者災害補償保険)
労働災害が条件です。療養補償給付、休業補償給付、傷病補償年金、障害補償年金等から構成されています。
○療養補償給付
労働災害のための療養を必要とする場合、治療費・入院の費用・看護料・移送費等、通常療養のために、必要なものが全部含まれて支給されます。労災指定以外の病院にかかる場合は、本人がいったん支払ってから、あらためて費用を労働基準監督署に請求するようになります。
○休業補償給付
傷病のため休業(会社を欠勤する)し賃金を受け取ることのできない期間が4日以上に及ぶとき、原則として1年半を限度として、休業1日につき、給付基礎日額の60%が支給されます。
○傷病補償年金
療養開始後1年半を経過しても治癒せず、傷病等級(第1、第3級)(39)に該当する場合は、給付基礎日額の313〜245日分の年金が支給されます。 休業給付から傷病年金に移行する場合は、傷病の状況によって政府が決定します。
○障害補償年金
傷病は治癒しても一定の障害が残り、障害等級第1、第7級に該当する場合、給付基礎日額の313〜131日分の障害(補償)年金に移行します。第8〜第14級の場合は、給付基礎日額の503〜56日分の障害(補償)一時金が支給されます。


<国の制度>健康保険から傷病手当金が支給【平成19年4月1日改正に対応】
まずは、傷病手当金(健康保険から支給)というシステムの説明から。

病気やケガで労務不能になった日から起算して4日目から支給されます。この場合の病気やケガは、業務上の理由あるいは通勤途上で生じたものではありません。業務上の理由・通勤途上で生じたものは、基本的に労災になるからです。また、加害者によって生じられたものでもありません。加害者がいる場合は、損害賠償請求をするので、結果的に傷病手当金よりもたくさんお金がもらえるからです。

傷病手当金をもらうためには、3日間連続して休んでいることが絶対必要な条件です。この3日間は、有給休暇でもOKです。3日間連続して休んでいれば、その次に会社を休んだ日から傷病手当金がもらえます。

たとえば、 休 休 出勤 休 休 となった場合は、連続して3日間休んでいないので、傷病手当金はもらえません。休 休 休 出勤 休 となった場合は、すでに連続して3日間休んでいるので、4日目以降の休んだ期間について傷病手当金がもらえます。ただし、4日目以降の休んだ期間について、傷病手当金の金額を超える給与が会社から支払われる場合は、もらえません。また、傷病手当金の金額よりも少ない給与が会社から支払われる場合は、差額分を調整された傷病手当金をもらうということになります。


受給の仕方としては、3つに分かれます。
(1)会社を休職し、受給する
(2)会社を休職せず退職し、任意継続して受給する(ただし、平成19年4月1日以降廃止)
(3)会社を休職せず退職し、国民健康保険に加入して受給する

(1)のみが会社を辞めずにもらう方法、(2)と(3)は会社を辞めたあとにもらう方法です。
ただし、(2)については、平成19年4月1日以降は法改正により廃止されましたので、現在(2)の方法でもらうことができる人は、平成19年3月31日までに(2)の方法ですでに傷病手当金をもらっていた人に限られます。

ですので、今後は(1)か(3)の方法でもらうということになります。
退職後、保険料が国民健康保険よりも安いからという理由で任意継続を選ぶと、傷病手当金はもらえませんので要注意です!!

(3)は、退職日までに次の条件を満たしていれば支給されます。
T)退職日までに傷病手当金を支給されているorされうる状態にあること。
U)退職日までの1年間に継続して健康保険の被保険者であったこと。

まずT)の条件ですが、
退職日及びその前2日間の休業では、退職日までに絶対必要条件が満たされません。
休 休 休(=退職日) となってしまうと、退職日の時点では連続3日間の休みは完成していますが、退職日に傷病手当金を支給されている状態にあると言えないからです。
休 休 休 休(=退職日) となると、退職日の前日までに連続3日間休んでいるという条件を満たし、退職日から傷病手当金が支給されることになります。この場合に、T)の条件を満たしていると言えます。
また、退職日直前ではなく、それよりもずっと前に3日間連続して休み、すでに傷病手当金が支給されている人、あるいは、すでに傷病手当金が支給されているけれども、同じ病気・ケガに対し障害厚生年金等を支給されているなどの理由により傷病手当金の支給が停止されている人も、T)の条件を満たします。

U)の条件ですが。
退職日まで、引き続き1年以上会社の健康保険に加入していなければなりません。なお、この期間には健康保険の任意継続被保険者である期間、もしくは共済組合の組合員である期間は含まれません。つまり、任意継続する前1年間に、継続して健康保険の被保険者であるということが条件となります。

支給期間は、支給を始めた日から起算して1年6月間です。退職前にすでに傷病手当金が支給されていた場合は、実際に支給を受け始めた日から1年6月間となります。支給された日の「合計日数」が1年6月となるまでではなく、あくまでも支給を受け始めた日から1年6月が限度ですので、途中で支給が停止された場合は、その期間を含めて1年6月が限度なので注意。

それから、金額です。
「標準報酬日額」というものが決められていて、その額の3分の2程度が支給されます。標準報酬日額というのは、簡単に言うと、毎月のお給料の総額を30で割ったもの。通勤手当や残業代も入ります。直近3ヶ月分のお給料の総額を合計し、それを90日で割って3分の2をかけた金額が、だいたい1日分の金額になりますので目安にするとよろしいかと。ただし、この月めっちゃ残業したーとか、逆にまったくしなかったーとか、直近3ヶ月間の間に引っ越したーという月のお給料の額を計算に入れるとあまり参考になりませんので注意^^;
あと、直近3ヶ月のお給料総額の平均額が28万円を超えている場合は、28万円×60%=16万8千円が、だいたい1月分の傷病手当金の金額となります。
健康保険組合に加入している場合、28万円という金額は各健康保険組合ごとに異なります。健康保険組合ではない場合は、平成19年度は28万円ですが毎年改定になります。改定された金額は、官報で告示されます。

あと、注意することとしては、傷病手当金は「被保険者」に支給するものであって、「被扶養者」には支給されません。

障害厚生年金、障害手当金、障害共済年金、障害基礎年金、老齢基礎年金等の老齢・退職を支給事由とする年金、労災の休業補償給付、休業給付、健康保険の出産手当金を支給されている場合は、支給調整され、原則として不支給となります。また、傷病手当金が支給されている間は、雇用保険の失業等給付(いわゆる失業保険)は支給されません。受給期間の延長という手続きをとることになります。最大で4年まで受給期間を延長することができます。この手続きにも、注意しなければならない点がいくつかあります。

労務不能であるかどうかの判断については、医学的所見のみによるものではなく、社会通念上「労務不能である」と判断される場合に支給されます。
退職前であれば、体調が悪いからといって、軽易な仕事に変えてもらったりすると支給されません。
退職後であれば、退職前にしていた仕事ができるかどうかで判断します。
家事手伝いはできるーというような人でも、退職前の仕事ができない場合は「労務不能」と判断します。
判断するのは保険者です。政府管掌の場合は政府、組合管掌の場合は健康保険組合です。

そして、何より1番大事なこと!
本人が請求しなければ、支給されません。
当たり前と思うでしょうが、知らなければ支給されずに終わっちゃいます。
退職前の期間については、医師の証明+事業主の証明が、退職後の期間については、医師の証明が必要となります。
請求書は1枚で、その1枚に医師の証明と事業主の証明の両方が書き込まれます。
医師の証明欄には、当然病名が…。精神疾患にかかっている方は「会社に知られたくないのに…」と思うかもしれません。
その場合は医師と相談の上、病名を「自律神経失調症」等、自分にとって気が重くならないようなものにしてもらったり、会社に「事業主の証明だけしてください。それから医師の証明もらって、自分で社会保険事務所へ郵送します」という手もあります。
この場合には、自分で会社の所在地を管轄する社会保険事務所に郵送または直接持参などして提出することになるので、どこの社会保険事務所に提出すればいいか、会社の担当者に確認しましょう。

【平成19年4月1日改正】にともない詳しく調べなおしました。間違いはないと思いますが、自分の場合に当てはめたうえで、会社等に確認してください。
 
 
会社を辞めなければならないとき(会社原因と思うときは「過労死・過労からの自殺」も参照)
長引けば、会社を辞めなくてはなりません。しか〜し、その途端、病気が良くなった人もいます。
病気で会社を辞めなければならないときも、会社の制度により、扱いが違います。なお、会社を辞めるときは、次の3点に充分注意してください。

<国の制度>健康保険の任意継続
最長2年間、現在の組合健康保険を延長できる制度です。健康保険組合に20日以内に手続きする必要があります。給付率は現在、組合健保と国民健保は共に同額ですが、収める保険料に差があります。国民健康保険の保険料は「加入者・加入予定者の前年度所得および資産」などをもとに算出されるのに対し(具体的には市役所で聞くこと)、任意継続の保険料は離職時の2倍となります。ほとんどの人は、離職した年に払うことになる国民健康保険の保険料が割高になるのではないでしょうか。しか〜し、病気が長引いて前年の所得は明らかに少なくなれば、国民健康保険の保険料のほうが安くなる場合がるので、1年目のみ任意継続するのも方法です。

<国の制度>健康保険から傷病手当金が支給
「有給休暇がなくなった後(給料がでない場合)」に記載していますが、間違っても、退職日とその前2日間は出勤しないことです。傷病手当金の受給資格がなくなります。また、【平成19年4月1日改正】で、健康保険を任意継続にすると不支給になります。

<国の制度>労災保険(労働者災害補償保険)
これも「有給休暇がなくなった後(給料がでない場合)」に記載しています。なお、厚生年金・障害基礎年金との併給は可能ですが、労災保険が減額になることがあります。

<国の制度>失業保険
失業保険は、就職活動をするときに支払われるものですから、病気で退職する場合は、就職活動ができず、支払われないことになります。しか〜し、再び就職活動ができるようになったとき、失業給付を受給することができます。ただし、ハローワークで手続きをしておく必要があります。
失業保険の説明をすると長くなりますので、ポイントを記載します。
1)失業保険は、就職活動をするときに支払われます。
2)失業給付は原則として1年間。離職後この期間内に、自分の給付日数の交付を受けることができます。
3)「本人が病気や怪我のため就職活動ができない」ことによる救済措置があります。
4)退職日の翌日から数えて30日経過してから1ヶ月以内にハローワークで手続きをすることによって、
  受給期間を延長することができます。
5)上記により、延長は最大3年間、つまり総受給期間は4年間(通常の失業給付1年間を含む)となります。
6)給付日数は次のようになります。
(1)定年退職、自己都合による離職
被保険者であった期間
1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
全年齢共通 90日 90日 90日 120日 150日
(2)倒産、解雇等による離職
被保険者であった期間
1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上
35歳未満
90日 90日 180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
90日 90日 180日 240日 270日
45歳以上
60歳未満
90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上
65歳未満
90日 150日 180日 210日 240日
(3)就職困難者による離職
被保険者であった期間
1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
45歳未満 150日 300日 300日 300日 300日
45歳以上
65歳未満
150日 360日 360日 360日 360日
 
その他
休んでいる間も、症状の報告義務があると思います。病院の診断書も、初めから長期なものでないでしょうし、延長のつどなどに連絡しましょう(会社の内規などで連絡周期が記載されていることもあります)。なお、うつ病の原因や症状にもよりますが、会社の上司か人事担当者が、本人が病院へ行く日の帰りにでも病院の付近で落ち合うなどすることを、本人に提案してみるのも良いでしょう。本人の負担のならない方法で、本人と会社の接触を図りましょう。
 
 
 
 
 
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